アニメ映画の感想 機動戦士ガンダムUC
episode7まで見終えた。色んな人にお疲れ様、の気分。
一番の感想としては、シャアの地縛霊みたいなものが、成仏できてよかったね。ということ。彼の永遠の孤独が、可能性を信じるバナージに未来を託す形で解放された。まあバナージの存在よりは、ララアとアムロが迎えに来てくれたってことが大きそうに見えたけれど。
episode7が出るまでの間に、逆襲のシャアを見ていたのがいい予習になったと思う。シャアの亡霊が去って、一区切りついたなって気がしたのと同時に、ガンダムの中でシャアはどうしてこんなに大きな存在なのか、シャアのことをもっと知りたくなった。とりあえず小説版のUCを読もうかと思う。マリーダさんの最後があっさり過ぎた気がしたし、リディ少尉の「お前はまだ、生まれたばかりなんだから」がよくわからなかったし、消化不良なことも多かったのでね。
劇場へは行かずに、DVDが出るのを待ってた。1~6までほぼ毎回泣いて見てた自分は涙不可避だと確信があったから、家で憚ることなくガチ泣きしたいと思ってさ。
ガンダムUCの中での一番の泣き所はやはりジンネマンとマリーダ、この二人がとても良いキャラクターだった。episode5でジンネマンがマリーダを説得して取り戻すシーンが一番好き。ジンネマンの「俺と来い!」を聞くともう嗚咽レベルで泣いてしまう。魂が入ってるのか演技が上手いのか、とにかく声優さんを尊敬した。
二番目の感想として、上記のジンネマンを筆頭に、「父属性のおっさんキャラ」がガンダムUCを作るうえで大事なんだと思った。
バナージが「人の可能性を信じたい」と選択をするのは、それまで共に過ごしてきたおっさん達の厳しさや暖かさがあったからに他ならないし、彼らとの衝突や共闘の体験が、出会ってすぐに父を失ってしまったバナージにとっての血肉になった。
劇中にでてきたおっさん達のセリフには、「大人」という言葉がたくさんでてくる。多くが大人の役割や責任に言及する内容で使われていた。なんだか、
「子どもたち(可能性)が未来どういう選択をするかは、今周りにいる大人たちの影響が大きいんだよ」
って言われているみたいで、これはけっこうヘビーだ。
なんせ自分は、ダグザさんやブライトさんに励まされ、ジンネマンと取っ組み合いになるバナージを完全にうらやましい気持ちで見ている。だけど年齢的に客観視すれば、私はもう大人の側に分類されるだろう。自分が子を持ったとき、ブライトさんやアナハイム高専の先生のように、恥じぬ大人でありたいと思うけれど、正直あまり自信はない。
episode7の最後の方、マーサがアルベルトの肩に手を置いてニッとしてから出て行くシーンがある。セリフはないんだけど、「頑張れよ」って顔に見えるんだよね。ここに、観客へのメッセージが凝縮されている、ように私には見えた。
箱の魔法は解けたけれど、そこでスパッと戦いが終わるわけじゃない。ある意味シャアの言ったとおりで、辛い犠牲を払って事を成しても大して世の中変わらないかも知れないけれど、それでも「頑張れよ」っていう励ましをこの映画はしてくれていると思ってる。
とにかく今まで観たアニメの中で一番泣いた。エシディシ並みにスッキリしたい時はまた見返そうと思う。