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伏見つかさ「ねこシス」感想

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俺妹にたいそうハマっていた私は、原作が終わってなんともいえない喪失感を抱えていた。京介がいつから桐乃を好きになったのか、ターニングポイントを探そうと、原作を読み返すのも3周目に突入した。

ただ、俺妹の魅力的なキャラクター達もさることながら、伏見さんの文章も好きだと思った私は、俺妹が終わる前から作者買いを決めていた。手始めに、俺妹のプロトタイプと言われる「ねこシス」を読んでみた。 

ねこシス (電撃文庫)

ねこシス (電撃文庫)

 

 表紙の絵で判断できるとおり、黒髪セーラーの次女(長女ではないところにン?となった。ぜひ長女のビジュアルも見たいものだ)は俺妹の黒猫の下地と言える。また見た目ももちろんながら、オタクで厨二な発言、真意を図りかねる毒舌なども黒猫そのものだった。そして、意外だったのが赤城瀬菜(腐女子)要素も持ち合わせていたこと。…なんとも濃いキャラだ。

それと、三毛猫の四女が通うクラスの担任の先生。ぽわぽわしているところが麻奈実チック。

 

文章は俺妹と雰囲気は変わらず。ただ、笑いを吹き出すような場面は少ない。ほのぼのとした中にけっこうシリアスなものを含みつつ、重苦しさを感じさせぬように書かれている。ただ、私自身は読みながらけっこう考えさせられた。

主人公の姉たちはいわゆる猫又でありながら人間の生活をしている。ただ猫又⇔人間をいいとこどりに行ったりきたりできるわけではなく、猫としての色々な犠牲を払ってもなお人間の生活を選択した経緯がある。そして、三女の美緒はこの先どちらで生きていくかを選択する場面に読者は遭遇していることになる。自分が美緒だったらどうするか。人間の立場から、読者は誰もが一度は考えるだろう。美緒がどちらを選択するかは、読みながら薄々わかってしまうにも関わらずだ。

考えようによってはなかなか重いテーマに立ち止まりながらも、終盤でのハラハラする展開に引っ張られ最後まで読むと、読後感はまたほのぼのに戻る。

続きがあるならぜひ読みたいと思う。彼女たちがまた悩んだりほっこりしたり、成長する姿が見られたら、自分の生活にも何がしかの勇気や暖かなものが生まれそうな気がするから。

もしかしたら、伏見さんはギャグよりもシリアスが向いているんじゃないだろうかと思ったけれど、この軽さで読めるのもまたいいところなのかなと思う一冊でした。

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